遺言無効
こんな状況にあてはまりませんか
- 本人の手書きの遺言書が出てきたけれど、有効?
- この遺言書は本当に本人が書いたもの?
- 遺言書は、どんな内容でも本人の希望が認められる?
- どんな場合でも、遺言書のとおりに相続しなければならないの?
お悩みの際は、お気軽にご相談下さい。
遺言の有効性を争う場合の流れについて
1 裁判外での交渉
遺言書の有効性を争う場合、まずは裁判外で交渉を行います。その際、遺言の有効性を左右する事実を主張し、それを裏付ける証拠などをもとに、遺言の有効性を争います。
2 調停の申し立て
裁判外での交渉によって解決しない場合は、調停(裁判所で話し合いを行う手続きをいいます。)を行い、裁判所を通じて遺言書の有効性を争います。
その後、調停でも解決に至らなければ訴訟を提起するという流れになります。
もっとも、調停での解決が最初から見込まれない場合、いきなり訴訟となる場合も少なくありません。
そのため、話し合いでの解決が困難であることが明らかな場合は、訴訟を見据えた行動をとる必要があります。
3 訴訟における審理
訴訟においては、遺言の有効性を左右するポイントについて、根拠となる資料を提出し、遺言の有効性を争うことになります。
※遺言無効確認請求訴訟を起こす際の裁判所
裁判所に訴えを起こす場合、起こすべき裁判所には決まりがあります。
遺言無効確認請求訴訟の管轄は、相続人、受遺者などの相手方の普通裁判籍の所在地、相続開始時における被相続人の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所のどちらかに訴えを起こします。
なお、当事者間の合意により、当事者間が出廷しやすい裁判所に決めることもできます。
もっとも、相手方や被相続人が遠方の場合、遠方の裁判所で裁判を行う必要があります。
遺言書が有効なものかどうかを判断するポイントについて
1 遺言書が有効となるための要件
亡くなられた方が遺言書を残していた場合、以下のような点から、遺言書が有効かどうかを確認します。
- 形式的な箇所に間違いがないか
- 民法で規定されている遺言書が無効となる場合にあたらないか
- 遺言書が偽造されていないか
- 遺言の作成経緯に問題がないか
- 公序良俗に反する内容でないか(民法90条)
- 遺言能力がある状態でなされた遺言であるかどうか
これらの内容について、解説します。
①形式的な箇所に間違いがないか
遺言書には、自筆証書遺言、秘密証書遺言、公正証書遺言の3種類があります(※詳しくは遺言書のページ参照)。 公正証書遺言の場合、公証役場にて遺言書を作成するため、形式的要件を満たしていないということはあまり問題となりません。 もっとも、自筆証書遺言、秘密証書遺言の場合は、自筆証書遺言の場合は手書き、秘密証書遺言においても署名押印が必要なため(※詳しくは遺言書のページ参照)、不備があると遺言書として有効になりません。②民法で規定されている遺言書が無効となる場合にあたらないか
- 遺言においては、被後見人の遺言の制限(民法966条1項)があります。つまり、すでに被後見人となり、判断能力が著しく低下している状態であることから、遺言能力もないと判断されている場合です(詳しくは成年後見制度ページを参照。)。
- 遺贈(遺言者が亡くなった場合に遺産を渡すこと)についても、受遺者(遺産をもらう人)が遺言者の亡くなる前に亡くなっていた場合は、効力を生じません(民法994条1項)。
また、遺言者が死亡した際に、その財産が相続財産といえない場合も、効力を生じません(民法996条) - このように、遺言においては、民法上の規定から本人が遺言をしても、特定の理由から有効とならない場合があります。
③遺言書が偽造されていないか
遺言書の偽造(なりすまし)については、公正証書遺言、秘密証書遺言の場合は作成には証人が必要なため(※詳しくは遺言書のページ参照)、主に自筆証書遺言の際に問題になります。
被相続人になりすまして遺言書を作成する場合、筆跡などが問題となります。そのため、生前の被相続人の筆跡などと比較し、偽造されたかどうかを確認します。
もっとも、文字を書くことが困難である被相続人を補助する場合もあるため、筆跡が異なる点をもって一概に無効とまではいえない場合もあります。
なお、遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿したものは相続権を喪失します(民法891条5号)。
④遺言書の作成経緯に問題がないか
遺言者の遺言を行うという判断に問題がある場合(このような場合を意思表示の瑕疵といいます。)、遺言は取り消すことができます。例としては、だまされて遺言書を作成しないといけないと思い込んで作成してしまった場合や、強迫などにより遺言書を無理矢理作成させられた場合です。
このような場合、遺言は取り消すことができます。
⑤公序良俗に反する内容でないか
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とされます(民法90条)。
例としては、愛人に全ての財産を与えるといった内容など、現代において社会的に許されない内容である場合です。
⑥遺言能力がある状態でなされた遺言であるかどうか
遺言書を作成する際、遺言者が、自身が遺言書を作成することの意味を理解している(遺言能力)必要があります。(民法963条)。
遺言書を作成する際は、高齢となっていることが多いため、遺言の有効性を争う際によく問題となる点です。
- 遺言能力の有無については、遺言者の判断能力の程度、年齢、健康状態、病状及び意思の診断、生活状況、遺言時とのその前後の状況、当事者の関係等を総合的に考慮して判断をしています(東京高判平25・3・6)。
また、その当時遺言者に遺言能力があったのかどうかの根拠として、当時の診断書、診断書をもとにした鑑定なども考慮されます(高知地判平24・3・29)。 - さらに、遺言者の判断能力の程度だけではなく、遺言内容の複雑性も考慮して、当該遺言の内容につき遺言者が理解していたかを遺言能力の判断において検討している裁判例も見受けられます。
遺言能力を争う場合には、医学的見地からの客観的資料を集めつつ、当時、遺言者に遺言能力がなかったといえるような事実を主張していく必要があります。
遺言無効の主張を弁護士に依頼するメリット
1 精神的負担の軽減
相続は、「争続」といわれるように、当事者間の感情的な対立が激しく、精神的な負担も大きいものとなりがちです。
そのような場合、日常生活を送りながら当事者間で交渉を行うのは、非常に労力を要します。
弁護士に依頼を行った場合、交渉業務についても弁護士が代理で行うため、精神的負担を軽減することができ、法的観点を踏まえた上で事件の解決を図ることができ、冷静な判断も行いやすくなります。
2 物理的な負担の軽減
遺言の有効性が問題となった場合、先ほど述べたような点が問題となり、当事者間での解決が困難となる場合が少なくありません。
また、訴訟に至った場合は、裁判所への出廷、書面の収集・作成及び提出など、様々な作業を行わなければなりません。
弁護士に依頼した場合、これらの作業を代理し、紛争にかかる負担を軽減することができます。
3 遺言の有効性を争った後の手続きについてもサポート
遺言の有効性が争われ、有効、無効の結論が出たあと、そこで終了というわけではありません。
その後、有効、無効となった被相続人の相続について、遺産分割の手続きを行う必要があります(詳しくは遺産分割ページを参照)。
これらの相続一連の手続きのサポートを受けられることも、弁護士に依頼するメリットになります。
かまがや総合法律事務所に依頼するメリット
1 実績豊富
当事務所は,東葛・京葉地域に根ざした地元密着の法律事務所です。そのため,地域で相続トラブルのご依頼について,相談及びその後の解決実績は豊富です。相続案件は当事務所が最も得意とする分野です。また,ご相談いただく方の多くは,一度ご依頼,ご相談いただいたお客様からのご紹介です。かつてのお客様からも多数のご紹介を頂けているのは,当事務所のサービスにご満足いただいている証です。
2 ワンストップサービス
遺言の有効性を争ったあと、遺言の有効、無効に関わらず、その後は遺産分割手続が不可欠です。
遺産分割手続には、不動産業者、司法書士,税理士といった複数の専門家の関与が必要となる場合がございます。当事務所提携の不動産業者,司法書士,税理士と連携して対応いたしますので,個別にご依頼いただく必要はございません。窓口を弁護士に一本化して,ご依頼者様にはご負担をかけることなすスムーズに手続きを行うことが可能です。
3 相談しやすい
『弁護士は敷居が高い』,というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし,当事務所では,皆様の生活になにかトラブルが生じた場合に,『街の診療所のような法律事務所』として気軽にご相談いただきたいという理念をもとに設立いたしました。「こんなこと聞いて大丈夫だろうか。」などと考えず,お気軽にご相談下さい。なお,初回相談(45分)は無料,時間外の相談にも対応させていただきます。
4 迅速,丁寧な対応
当事務所では,ご依頼いただくすべての案件について,迅速に対応させて頂くと共に,依頼者様の心情に寄り添った丁寧な解決を心がけております。